カテゴリ: シンフォニアリアル講座


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ライターの山浦です。

9月のリアル講座のレポートが準備できないままに10月のリアル講座の時期がやってきてしまいました、すみません!

トップ画像は、9月のリアル講座の準備の光景です。

麻里江さんと私の楽器も準備して、会員のみなさんにバイオリン合奏を楽しんでいただきました!

ご自身のバイオリンをお持ちいただいたのもあり、お部屋には10本以上の楽器があったようです!!なかなか壮観です。バイオリン、見るだけでもうきうきするのは私だけではないはず…!

初心者の皆さんでもキレイな音で演奏されていたのが印象的でした。(レポートは、別途またアップさせていただきます!)

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会場は再びのコンテハウスでした。広くて木のぬくもりが感じられる空間ですごくいいなぁ、といつも思っています。


さて、10月のリアル講座ですが、以下の通り【今週末の日曜】に開催を予定しております!


■10月のリアル講座の日程・会場

非会員で参加希望の方は、問い合わせよりご連絡いただくか、月額音楽講座「シンフォニア」よりお申込みください。


第9回講座タイトル:
「言語のふしぎ・音楽のふしぎ」


須賀麻里江よりご案内:
今回は、満を持しての言語学の講座です!言語学者・菅原彩加さんをお迎えいたします。
前半は、言語学のお話、後半で、言語と音楽の共通点はなんでしょう?といった内容でお話いただきます。
菅原さんのお話をお聞きできる機会は、とても貴重です。私もとても楽しみです!
カフェタイムあり♪

日時:
10/27(日)
14:00-16:00

場所:
Connecting The Dots SHIBUYA
貸し会議室(小)
住所…渋谷区神南1-20-7 川原ビル4階・6階
JR渋谷駅から徒歩4分 / 地下鉄半蔵門線6番出口から徒歩3分


(関連記事は本ブログ:sinfoniaの過去記事よりご確認いただけます)

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(ライター:山浦雅香)

7月もシンフォニアリアル講座を開催しました。

第7回目の今回は音楽ライターの白沢達生さん@t_shirasawa)を講師にお招きして「17-19世紀の歴史音楽」をテーマに、たっぷり2時間お話をいただきました!

当時の絵画を資料に

  • 当時のバイオリン楽器が貴族にとってどのようなものだったのか
  • ヨーロッパのどこからどこへ音楽の流行が伝播していったのか
  • 誰が作曲したどのような音楽があったのか(須賀さん演奏)

といったことを解説いただき、曲は実際に須賀さんが演奏しました。

時間と場所の移り変わりを追いかけ、バイオリンを用いた楽曲の流行や、バイオリンの演奏技法について理解できる豪華なレクチャーとなりました。

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▲左が白沢達生さん、右が須賀麻里江さん

お話の余韻にひたり、お二人の写真を撮り忘れたことに終了後の駅前で気づき、駅前で撮影になってしまいました。すみません(・・;)


音楽講座シンフォニアでは、ゲストのプロ奏者や主催の須賀さんの生演奏をはさみながら音楽に関連した知識をシェアしています。月額5,000円、会員限定の動画配信もあります(講義に出席できなくても後日視聴できます)

月額会員だけでなくビジター価格(3,000円)の設定もあります。ぜひ足をお運びいただければ幸いです。

●月額会員の申し込みはこちらから。シンフォニアのコンセプトなど詳細も公開されています。(須賀麻里江公式サイト)

私のSNSにも動画や写真をアップしているので、ぜひハッシュタグ #須賀麻里江シンフォニア からご覧になってみてください。

※基本的に生配信と後日の動画リンクをお送りします。リアル講座に参加できない場合にもこちらから講座の内容を視聴できます。資料のデータもメールにてお送りします。

■天使の奏でる中世フィドル、たどる歴史は「貴族の記録」

バイオリン好きな方ならよくご存じの?ヨーロッパ各地に古くからあった中世フィドル。こちらがバイオリンの原型だとする説があります。

初期のバイオリンについて調べる時の記録というと、絵画があります。ここで注目すべきは、初期のバイオリンを奏でているのが天使だということだそうです。


神様に捧げる大切な音楽を奏でるものとして、中世フィドル(バイオリン楽器)は使われていたといいます。


中世フィドルの演奏も、白沢さんの準備いただいた資料で再生いただきました。

後半に説明いただいたのですが、弓の形から、音の立ち上がりがあまり早くないのが特徴です。バイオリンのように、あごでしっかりはさむのではなく、肩に載せる形で演奏したそうです。

これがだんだん変化していき、形の変化だけでなく庶民が手に取る楽器となったことが、その後の記録でわかります。こうした記録もやはり絵画に記録されていて、描かれる媒体も教会の天井から油彩画のキャンバスへと変わっていきました。

庶民…とはいうものの、その後白沢さんがTweetで補足説明をしてくださっていました。以下のツリーでレクチャーの補講がチェックできます!(歓喜!)




■ヨーロッパの文化交流「フランスいけてる」「ドイツいけてる」「イタリアびみょう」!?

バイオリンはイタリアからヨーロッパの他の地域に広まっていきます。16世紀のフランスでは文化の交流が広くあったそうです。

しかし!そんな中でフランスではイタリアのバイオリン音楽を「いけてない」としたり、ドイツでは「自分は今注目されているバイオリン演奏とは一線を画すのだ」とする作曲者でバイオリニストのハイリッヒ・ビーバーが登場したり、地域ごとの主張が強かったようです。


ルイ14世が亡くなると、フランスがイタリア人のバイオリン音楽に傾倒していったといいます。きっかけとなったのは1653年生まれのコレッリで、イタリアバイオリン音楽のキーパーソン。

コレッリの亡くなったのが1713年で、世紀の変わり目とあって彼の作品を「17世紀を総括する古典的音楽」として表現できたのも普及のポイントになったとか…作品をどう見せるか、ということは、今も中世も、流行を左右する重要なポイントだったんですね。

■練習曲まで美しい…須賀さんのバロックバイオリン演奏
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神にささげる音楽を奏でていたり、弾けることは宮廷人のとして当然できるべきこととされたりと、何かと高尚な存在とされるバイオリンですが、どこでも弾けることや曲芸的なことにも向いているのはバイオリン音楽につながるフィドルの特性で、そういう点では高尚なもの扱いではないバイオリンの在り方もあった…という白沢さんの言葉が胸に残りました。

貴族のたしなみとしてバイオリン音楽に対する需要も高まります。今でも練習曲として残っているクロイツェルの練習曲は、今回レクチャーの中で須賀さんの演奏で参加の皆さんにお楽しみいただきました。


これ以外にも何曲も演奏してくれました(須賀さんもお疲れさまでした…!)

個人的にはハインリヒ・ビーバーのパッサカリア(少し長いけど…と須賀さんが説明入れてから演奏)、聴いているとなんだか、じん、とします。バイオリン一つがつむぎだす音に、本当に生まれてから死ぬまでの人の歩みのような、壮大な風景が見えるようです。理由はわからないけど、励まされるような心地がしました。

「高尚」という表現で距離をとってしまうのは惜しいけれど、やはり凡人にはまねできない、知識と技術を備えた音楽家の演奏にはハッとさせられるものがあるんだなあ、と、何度も思わされるレクチャーでした。


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今回もお茶タイムを設けました。メロンパンは会員さんが有名店で手に入れてくださったという差し入れです、感謝いたします!

奥に見えるのはイタリアの食品。須賀さんの演奏旅行先のお土産です。



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●第一回講座のレポートはこちら(外部のブログが開きます)
月額音楽講座「シンフォニア」1月に参加しました!【バイオリン】

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(ライター:山浦雅香)

6月も、毎月恒例の、シンフォニアリアル講座を開催しました。

第6回目の今回は歴史料理家の遠藤雅司さんをお招きし「バッハスイーツ!~バッハの生涯と食~」をテーマに、参加者の皆さまに「音食紀行」の世界を体験していただきました。

遠藤さんが全国各地で主催されている「音食紀行」は、世界各国の歴史料理を再現するプロジェクトです。⾳楽と料理を通じて、「時代旅⾏世界旅⾏」の時間を提供しています。

※遠藤さんの最新イベントの情報は公式サイトまたはTwitter@onshokukikouでチェックできます!

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▲左がバイオリニストの須賀麻里江さん、右が「音食紀行」主催の遠藤雅司さん

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当日は会場で遠藤さんの著書の販売もありました!

ちなみに、今回の会場は赤坂見附駅から徒歩数分の東京農村ビル5階。小っちゃい建物に見えて開放感のある空間でびっくり。

当日は梅雨時とあり曇り空、だったのですが、ガラス張りケースの中のレタスを生育するスペースがあり(屋外に見えて実は屋内)、こちらの照明のおかげか?まるで自然の太陽光を浴びているような感覚です。


こんな素敵な空間で、音楽好きが月一で集まって、くつろぎながら知識も深まってしまうのがシンフォニアのリアル講座です。

今回も、須賀さんの幼馴染の私山浦が、当日の様子をレポートします!

おいしそうな写真がたくさんなので、空腹時は何か食べ物を用意してから読んだ方がいいかも!?笑


音楽講座シンフォニアでは、ゲストのプロ奏者や主催の須賀さんの生演奏をはさみながら音楽に関連した知識をシェアしています。月額5,000円、会員限定の動画配信もあります(講義に出席できなくても後日視聴できます)

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■18世紀、水の代わりに人々はワインを飲んでいた!

今回のテーマはバッハ。バッハはご存じ、18世紀のドイツで活躍した音楽家です。

当時の飲み物…ということで駆けつけ一杯がこちら。

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なんでしょう…?

そう、今はやりの(ってちょっと遅い!?)フレーバーウォーターです。

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ミネラルウォーターに、複数のフルーツと、ミントの葉、シナモンスティックを入れてあります。(最後、残ったフルーツは、出演者と私でいただいて帰りました…笑)

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なぜフレーバーウォーター?と思う方もいるでしょう…

人々が当時、飲んでいたから?

実は、そうではないんです。

むしろ、当時、そのまま飲めるお水は貴重なものだったと言います。

衛生状態の悪い生活環境で、飲料水の代わりに重宝されていたのが実は「ワイン」。一般市民は、労働後の食事にワインを飲んでいました。

ただし、ここに入っている果物は、バッハが生きていた当時にちなんだもの。

「りんご」「いちご」は当時のドイツの名産だったそうです。その後、いちごは新しい品種にとってかわられ、現在は当時と同じものは手に入らなくなっています。


■1716年ハレ(ザーレ)での晩さん会から”レモンの皮の砂糖漬け”

今回の題材は1716年「ハレ」での食事のメニューです。ハレ(ザーレ)はドイツのライプツィヒの西側に位置する都市で、当時バッハは31歳。

ここにいたるまでのバッハの仕事の変遷や、当時の生活の常識なども交えて、料理のメニューを一つ一つ解説いただきます。


ただ知識としての歴史をなぞる解説ではなく、音楽家の歩んだ道が点と点を結ぶように聞けること、そしてその時々の当人の判断や感想らしきものを聞けるのも、須賀さんのリアル講座の面白いところです。

彼らは昔の人だけど、生き方や考え方は、今に通じるものがあるんだな…と感じられて、毎回得るものがある、いやむしろ元気になるような気がしてきます。

今回は出てこないんですが、お料理はこんな風に再現していくそうです。

今回のリアル講座では、メニューの一部である『レモンの皮の砂糖漬け』を遠藤さんに調理いただき、皆さんでいただきました。

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砂糖はたっぷり200g…!レモンは4つ。これは当時かなりのぜいたく品。

18世紀のドイツでは、レモンは遠路はるばる輸入しなければならず、とても貴重なものだったので、これをたくさん食べられるというのは富の象徴でもあったそうです。

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できあがるとこんな形になるのですが…

実は結構時間がかかります(笑)

この煮込む間、遠藤さんのお話し、須賀さんのお話しと演奏で完成を待ちます。

音楽家について、さまざまな角度から考えてきたお二人の話にはやっぱりどうしたって味わいがあり、会場の皆さんも思わず笑ったり、うなずいたり。

参加いただく会員の皆さんも、いろいろ思いついた感想を口にしながら、一緒の時間を楽しく過ごしていただけたかなと思います。

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■台所の鍋の横で、バッハ

須賀麻里江さんのリアルイベントのいいところは、文字通り「音楽がみぢか」に感じられるところ。

最近流行ってるらしいからタピオカ飲んだんだけど、とか、この間大学生と話していたら自分の常識が通じなかった、みたいな感じで、こんな時聴いてみてほしい曲があるんですよ、と気軽に須賀さんがバイオリンを構えて演奏をしてくれる。


今回は「レモンを煮る間に、こんな曲どう?」といって1曲、「まだ煮えてないね」と言ってもう1曲。




こうして「演奏」という形で音楽を身近に引き寄せながら、須賀さんは毎回、これまで長い時間かかわってきたからこそ見える音楽のいろんな側面をシェアしてくれます。こうした知識は、すぐには自分の人生にはリンクしないかもしれないけど、思いもよらないところで人を豊かにしてくれたり、悲しい出来事から立ち直らせてくれたりするのだと、私は考えています。

ちなみに今回披露してくれた楽曲のうちの1曲は、都合で来場できなかった会員の方のための演奏でした!

画面の向こうでリアルタイムで視聴いただいていたようですが、イベント後日に配布するリンクからYouTubeにアクセスいただければ、何度でも視聴可能です!




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月額音楽講座「シンフォニア」1月に参加しました!【バイオリン】


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(ライター:山浦雅香)

4月の最終週、第4回シンフォニアリアル講座を「尺八」をテーマに開催しました。

ゲストは尺八奏者の黒田鈴尊(れいそん)さん。

黒田さんは大学で心理学を学んだあと、東京芸術大学、大学院に進学されています。

一つ目の大学で心理学を専攻し「人の心はわからない」ということが分かった、と話される黒田さん。講義では、楽器の仕組みや歴史、古今東西の尺八の曲、楽譜の表記や演奏のテクニックという情報だけでなく、黒田さんが尺八を始められたきっかけ、そしてどんな思いで演奏活動をされているのかといった点を聞かせていただけたのが印象に残りました。

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▲左が黒田鈴尊さん、右が音楽講座主催のヴァイオリニスト須賀麻里江さん


音楽講座シンフォニアでは、ゲストのプロ奏者や主催の須賀さんの生演奏をはさみながら音楽に関連した知識をシェアしています。月額5,000円、会員限定の動画配信もあります(講義に出席できなくても後日視聴できます)

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■大きさの異なる10本の尺八

今回黒田さんは、参加者が一人一本の楽器を自分の手で持って体験できるようにと、10本もの尺八を会場に持ってきてくださいました。

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▲左のテーブルの上に載っているのはすべて尺八

尺八は、楽器の材料となる竹の太さが様々とあって、長さも太さもどれも異なります。これで同じ譜面を演奏するのかと思うと不思議な感じです。

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▲いろいろなサイズの尺八。右のものは1m以上になります。

同じ譜面…といっても、尺八の譜面には、おさえる穴の場所が書いてありますが、同じように押さえても息の吹込み方で音程が変わるそうです。なので、同じ譜面であっても演奏者の解釈で異なる演奏となるそうです。


■尺八の基本~5つの穴と「ロツレチリ」~

まずは尺八の基本構造と演奏の基本について紹介します。

尺八というと、竹でできた楽器を思い浮かべることのできる人も多いでしょう。でも、間近で見るチャンスはそう多くはないと思います。

尺八という名前は、長さが一尺八寸(約54.5cm)であることに由来するそうです。しかし実際には、上の写真のようにいろんなサイズの楽器があります。

現在の尺八は「5つ」穴がありますが、昔は6つあったそうです。この5つの穴をふさぐ、少しふさぐ、ふさがないことにより異なる音が出てきます。写真のように、縦に構え息を吹き込むと音が出ます。

譜面はカタカナで記されていて、5つの穴を「ロツレチリ」の文字で表記します。

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▲カタカナなら読める…かと思いきや読めない尺八の譜面


舌の動きが悪くなり言葉が不明瞭になることを「呂律が回らない」と言いますが、じつはこの「ロツレチリ」の譜面をうまく演奏できない様子が語源になっている…という説もあるそうです。

また、ある音を高くすることを「カリ」、低くすることを「メリ」といい、こちらは間延びした様子を表す「メリハリがない」の語源となっている…という説もあるそうです。

こんな身近なところに、尺八に関連した言葉が存在しているとは思いもよらない事実でした!


■虚無僧寺と二つの流派について

シンフォニアのリアル講座では、毎回生演奏が聴けます。今回は各地の「虚無僧寺」(こむそうでら)に伝わる曲を演奏いただきました。

これらの曲は、尺八を法器として吹くことで禅の修行とする、即ち「尺八の一音に徹底することで悟りを得ること(吹禅 すいぜん)」を宗旨として吹かれていました。

尺八の流派には、琴古流(きんこりゅう)都山流(とざんりゅう)という二つの有名な流派があります。

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▲琴古流の楽譜の表紙

今回のレクチャーコンサートでは、まず最初に、最も古い尺八の楽曲とされている曲『虚空』(こくう)を演奏いただきました。

虚竹禅師寄竹(きょちくぜんし きちく)という人物により作られたと言われる『虚空』は、霊夢(れいむ)と言われる夢で聴いた曲を作品にしたもので、『虚鈴(きょれい)』『霧海ヂ(むかいぢ)』の2曲と合わせて三虚霊と呼ばれています。

さらに、九州、関東(栃木)、青森、新潟の虚無僧寺に伝わる曲を披露していただきました。

曲には、それぞれの土地の雰囲気も一緒に込められているようです。青森の虚無僧寺に伝わる曲には、1年を通して強い風が吹き高い波が立つ津軽海峡のような激しさがあります。



聴いているとなんだか切ない気持ちにさせられる理由は、笛の音そのものではなく、生きることの苦しみに向き合ってきた僧たちが演奏してきた楽器だからかな…と思えてきました。

江戸時代の吉原では、その演奏を聴くと切なくなり身投げしてしまう人が増える…という理由で、道を歩きながらの演奏が禁止された曲もあったそうです。

世の不条理は、程度の差こそあれいつの時代も変わらず存在する、と私は思っているのですが、それをよくも悪くも救ってくれるのが音楽だとも、思っています。私は音楽を聴いているといろんなことが頭を巡る方なのですが、それは作曲者や演奏者の思いがそこに込められているからなのかもしれません。




■宇宙を背景に尺八で、地球を代表する一曲を生演奏

各地の虚無僧寺に伝わる『巣鶴鈴慕』(そうかくれいぼ)、別名『鶴の巣篭り』も尺八を代表する曲の一つで、鶴が厳しい環境で子育てをする様を描いた作品だそうです。

実はこの曲は1977年に地球から打ち上げられたボイジャー探査機に搭載されたレコードにもおさめられています。

レコードには自然の音(風や波の音)に加えて、90分間分、各国の様々な音楽が収録されています。『巣鶴鈴慕』は日本を代表する曲として入っています。

今回のリアル講座では、実際にボイジャー号から送られてくる宇宙の映像を壁面に投影し、YouTubeの動画を背景に黒田さんが『巣鶴鈴慕』を演奏してくださいました!

「みなさんと、宇宙に行ってみたいと思います」という前フリから始まった尺八の演奏に、会場の皆さんが引き込まれます。



この時、参加者の皆さんは(私もですが)映像で宇宙の様子を見ながら、尺八の演奏を聴いている…という状態です。

ですが、黒田さんの120分間のお話しを聞いた後に改めて考えてみると…「一つの音の中にすべてがある」の黒田さんの言葉の通り、会場にいながら、心で宇宙に行くことは可能だったのかも、と思えてきます。

生きることのやるせなさや、喜びは自分にとっては大きなことですが、自然の摂理が作り上げる壮大な環境、そうしたものと比べたらどうってことのない存在であるはず。でもそんな小さな自分が、思考や記憶力を手に入れたからこそ悩むということ…そうして自分を俯瞰できることが「宇宙に行く」ということなのかもしれません。

黒田さんのお話しを聞き、演奏を鑑賞していると、楽器というのはただ決められた動作を行い音を出すものではなく、奏者の哲学に支えられながら物語を伝えるための道具なのだな、と思えてくるのでした。

尺八の知識だけでなく、尺八と生きている黒田さんの考え方をたくさんお聞きしたからこそ、普段考えが及ばない色々なことに思考が広がる貴重な機会となったように思います。




■一人一本の尺八体験と演奏後のお抹茶

レクチャーコンサートは約90分でしたが、興味深いお話しに耳を傾け、生演奏に聞きほれているとあっという間に時間がたっていました。

最後の30分間は、参加者の皆さんの尺八演奏体験とお茶の時間としました。

尺八はリコーダーとは異なり音を出すのが難しい楽器とのことでしたが、黒田さんの的確なご指導により、参加の皆さん全員に一度は音を出してもらうことができました。

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▲息の吹込み方をアドバイスしてくださる黒田さん

ちなみに、尺八は入門の楽器(樹脂製)がAmazonで売られており、興味がある場合にはこちらを使ってスタートするのが黒田さんのおすすめとのことです。


今回の会場は浅草にある「静心 Shizu-Kokoro」さんでした。お茶碗やお抹茶の販売もしています。

参加の皆さんで演奏を体験したあとは、こちらで購入したお茶を皆さんでいただきながら、引き続き黒田さんの音楽談話をお聞きしました。

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静心さんでは普段、裏千家茶道の羽根石先生によるお茶体験やお稽古を行っているそうです。


■次回のお知らせ【2019年5月度リアル講座】

次回も5月の最終日曜、14時~16時にてレクチャーコンサートを開催いたします。
会場やテーマなどの詳細は、確定次第、お知らせいたします。
どうぞお楽しみに!

会場にお越しになれない会員の方でも、ライブ配信や動画の後日視聴も可能なので、好きな時間に好きな場所でレクチャーに参加できます。

またメルマガで配信される須賀さんのミニクイズで、楽しみながら、レクチャーコンサート前に関連知識が身につきますよ♪


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月額音楽講座「シンフォニア」1月に参加しました!【バイオリン】





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(ライター:山浦雅香)


3月は、月額音楽講座「シンフォニア」第3回目のリアル講座を開催しました。

今回はチェンバロが2台もある会場で、約10名の参加者にお越しいただきました!

会場は株式会社ギタルラさんの東京古楽器センターです。
※ブログでお知らせした最寄駅が「目黒駅」となっていましたが、正しくは「目白駅」でした。大変失礼しました。

今回のテーマは「チェンバロで聴くモーツァルト」ということで、現在ドイツに留学中のフォルテピアノ奏者 荒川智美さんをゲストにお招きし、レクチャーいただきました。


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▲左がフォルテピアノ奏者の荒川智美さん、右が音楽講座主催のヴァイオリニスト須賀麻里江さん

会場は実はあまり広くなかったのですが(10名でぴっちり、でした)その分楽器とも荒川さんとも距離が近く、奏でる音を体のすみずみで受け止めることのできるぜいたくな2時間になったと思います。

私は個人的にチェンバロの音が大好きで、チェンバロの協奏曲をスマホに入れているくらいなのですが、間近に聴くのは人生二度目で、興奮してたくさん動画を撮ってしまいました。



こんな感じでとっても素敵な演奏なのですが、録音を聴くのと現場の音はやっぱり全然違います。生演奏を月に一回必ず聴けるシンフォニア、月額5,000円は本当にお得です!
もちろん録画でもすっごく素敵なんですが、どうしたってリアルは格別です。

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私のSNSにも動画をアップしているので、ぜひハッシュタグ #須賀麻里江シンフォニア からご覧になってみてください。

※シンフォニアのリアル講座は基本的に、録画・録音・SNSへのアップOKです! 参加者さんの個人が特定できるものの公開はご遠慮願います。
※リアル講座に参加できない場合も、生配信と後日の動画リンクがあるのでまったく問題ありません! 資料のデータもメールにてお送りします。

■チェンバロの形

今回の講座では、モーツァルト(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Wolfgang Amadeus Mozart)
が、幼少期に父親のレオポルト・モーツァルトと出かけた演奏旅行を主軸に、行く先々でのエピソードと合わせて、複数の作曲家の様々な曲を演奏いただきました。

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▲リアル講座では資料をお渡しします。後日データで会員の皆さまにお送りします。

今回の講座ではレクチャーを交えた演奏のあと、楽器の仕組みについて解説いただいたのですが、こちらのブログでは先に楽器の構造について当日お話しいただいた内容を簡単にまとめたいと思います。

チェンバロは、ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、ピアノを細く長くしたような形の楽器です。

ピアノと異なり、弦を爪の形をしたパーツではじくことで音を出します。

鍵盤は二段になっていて、上下が連動して動いたり片方だけ動いたりします。

ピアノほどの大きな音が出ないので、鍵盤をたたかなくても一緒にオクターブ上の音が奏でられるような仕組みもあるそうです。

鍵盤の色や、楽器のデザインにピアノよりも個性があるのかな?と、初めて2台いっぺんに楽器を目にして思いました。

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▲会場にあったチェンバロその1。鍵盤は黒白、内側は赤。

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▲会場にあったチェンバロその2。鍵盤は木と白、内側に花や生き物が描かれている。

荒川さんのつむぎだす流れるようなメロディと、かろやかな手元に見とれていると、そんな楽器の仕組みには思いをはせる余裕は実は私にはなかったのですが…

演奏は何度思い出してもうっとりしてしまいます。ピアノは指で鍵盤を押し下げて演奏するもの…と考えていたのですが、こうして2時間荒川さんの演奏姿を拝見していると、もっと小さな楽器と同じく体全体で奏でるものなのだなと感じさせられました。




■モーツァルトのたどった道と数々の曲

さて、話をモーツァルトにもどします。

モーツァルトが幼少期に父親と初めて出かけた、なんと3年半に及ぶ演奏旅行は、ザルツブルグから始まり、ヴィーン、アウグスブルグ、パリ、ロンドン、デン・ハーグ(オランダ)の各都市を訪れたそうです。

平成が終わる今の時代でも、これだけの都市を回るのは大変そう! 旅行としては楽しそうですが、演奏を目的とした行程、プレッシャーもあったのではと思いをはせてしまいました。

そんなモーツァルトのその時々の成長や、お父さんから受け継いだ性格がどのように曲に現れているのかを、荒川さんの説明を通じて感じ取れたように思います。


モーツァルトの父親のロンドン滞在の感想が「ビールがおいしい」だったことを知り、そして幼いモーツァルトの作曲家に対する無邪気な振る舞いを「きっと困らせちゃったでしょうね」と話される荒川さんの口ぶりがとても優しくて、なぜだか私もモーツァルトと距離が縮まったように感じてしまいました。

そして荒川さんが、生誕300周年の父親レオポルドモーツァルトよりもベートーヴェンの生誕250年が注目を受けていることに「ちょっと不憫ですね」と感想を漏らされて、音楽家の視点って面白い!と思ってしまいました。普段聞けない音楽家の本音が聞けるのもシンフォニアの醍醐味です。

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▲講義に登場する人物の肖像画も準備いただき、想像を膨らませながらお話を聞きました。

今では全く知られていないけれど、と説明されてからある作曲家の作品を奏でる荒川さん。演奏を聴いている時には何も考えていなかったけれど、こうして知らず知らず音楽の知識が身についていく人生って幸せだなあと、後日ふと思いました。

ちなみに、今回はテーマがモーツァルトということで、サントリーのモーツァルト チョコレートクリームというリキュールを用意して参加いただいたみなさんと楽しみました!

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▲レクチャー中はこんな感じで飾っておきました。



■次回2019年4月リアル講座は「和楽器」

次回は「尺八のいろは」をテーマに尺八奏者・黒田鈴尊(くろだれいそん)さんをお招きし、尺八の演奏を含むレクチャーコンサートをを開催します。シンフォニア初の和楽器の会です。
※今回のみ、祝日(月曜)の開催です、ご注意ください!

日時:4月29日(月) 14:00~16:00
会場:静心 Shizu-Kokoro 裏千家茶道教室
東京都台東区西浅草1-9-8
https://www.teaceremony.co/

国際尺八コンクール2018inロンドン優勝の黒田さんが、尺八のいろは、古典から現在進行形で開発されているテクニックまでレクチャー。体験&ミニコンサートの形式です。

会場にお越しになれない会員の方でも、ライブ配信や動画の後日視聴も可能なので、好きな時間に好きな場所でレクチャーに参加できます。

動画は必要に応じて手元などアップにして撮影しますので(固定ではありません)、一度の講座を複数の角度から楽しめます♪



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月額音楽講座「シンフォニア」1月に参加しました!【バイオリン】

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