(ライター:山浦雅香)
3月は、月額音楽講座「シンフォニア」第3回目のリアル講座を開催しました。
今回はチェンバロが2台もある会場で、約10名の参加者にお越しいただきました!
会場は株式会社ギタルラさんの東京古楽器センターです。
※ブログでお知らせした最寄駅が「目黒駅」となっていましたが、正しくは「目白駅」でした。大変失礼しました。
今回のテーマは「チェンバロで聴くモーツァルト」ということで、現在ドイツに留学中のフォルテピアノ奏者 荒川智美さんをゲストにお招きし、レクチャーいただきました。
▲左がフォルテピアノ奏者の荒川智美さん、右が音楽講座主催のヴァイオリニスト須賀麻里江さん
会場は実はあまり広くなかったのですが(10名でぴっちり、でした)その分楽器とも荒川さんとも距離が近く、奏でる音を体のすみずみで受け止めることのできるぜいたくな2時間になったと思います。
私は個人的にチェンバロの音が大好きで、チェンバロの協奏曲をスマホに入れているくらいなのですが、間近に聴くのは人生二度目で、興奮してたくさん動画を撮ってしまいました。
レオポルドモーツァルト、息子の曲と通じるものを感じます、と。
— しゃんぷー(珈琲姉貴) (@shanpu_yaxiang) 2019年3月24日
お父さんは筆まめなんだったと。
演奏旅行中の手紙にも、貴重品を手放すなとか変な人についてっちゃダメとか。25〜6歳までお小言?いってたとか。
そんなおしゃべりな感じが曲にも出てるって。#須賀麻里江 #須賀麻里江シンフォニア pic.twitter.com/1yYBkHR2gK
こんな感じでとっても素敵な演奏なのですが、録音を聴くのと現場の音はやっぱり全然違います。生演奏を月に一回必ず聴けるシンフォニア、月額5,000円は本当にお得です!
もちろん録画でもすっごく素敵なんですが、どうしたってリアルは格別です。
●会員の申し込みはこちらから。シンフォニアのコンセプトなど詳細も公開されています。(須賀麻里江公式サイト)
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私のSNSにも動画をアップしているので、ぜひハッシュタグ #須賀麻里江シンフォニア からご覧になってみてください。
※シンフォニアのリアル講座は基本的に、録画・録音・SNSへのアップOKです! 参加者さんの個人が特定できるものの公開はご遠慮願います。
※リアル講座に参加できない場合も、生配信と後日の動画リンクがあるのでまったく問題ありません! 資料のデータもメールにてお送りします。
■チェンバロの形
今回の講座では、モーツァルト(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
Wolfgang Amadeus Mozart)が、幼少期に父親のレオポルト・モーツァルトと出かけた演奏旅行を主軸に、行く先々でのエピソードと合わせて、複数の作曲家の様々な曲を演奏いただきました。
▲リアル講座では資料をお渡しします。後日データで会員の皆さまにお送りします。
今回の講座ではレクチャーを交えた演奏のあと、楽器の仕組みについて解説いただいたのですが、こちらのブログでは先に楽器の構造について当日お話しいただいた内容を簡単にまとめたいと思います。
チェンバロは、ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、ピアノを細く長くしたような形の楽器です。
ピアノと異なり、弦を爪の形をしたパーツではじくことで音を出します。
鍵盤は二段になっていて、上下が連動して動いたり片方だけ動いたりします。
ピアノほどの大きな音が出ないので、鍵盤をたたかなくても一緒にオクターブ上の音が奏でられるような仕組みもあるそうです。
鍵盤の色や、楽器のデザインにピアノよりも個性があるのかな?と、初めて2台いっぺんに楽器を目にして思いました。
▲会場にあったチェンバロその1。鍵盤は黒白、内側は赤。
▲会場にあったチェンバロその2。鍵盤は木と白、内側に花や生き物が描かれている。
荒川さんのつむぎだす流れるようなメロディと、かろやかな手元に見とれていると、そんな楽器の仕組みには思いをはせる余裕は実は私にはなかったのですが…
演奏は何度思い出してもうっとりしてしまいます。ピアノは指で鍵盤を押し下げて演奏するもの…と考えていたのですが、こうして2時間荒川さんの演奏姿を拝見していると、もっと小さな楽器と同じく体全体で奏でるものなのだなと感じさせられました。
ピアノと比べて構造がシンプルなチェンバロは、弾き手の個性がよりしっかりでる楽器だと思う…とレクチャー後の懇親会でお話しされていたのが、印象に残っています。
— しゃんぷー(珈琲姉貴) (@shanpu_yaxiang) 2019年3月24日
フォルテピアノ奏者の荒川智美さんを迎えての、第3回リアル講座♪#須賀麻里江 #須賀麻里江シンフォニア pic.twitter.com/5BtyPfzj8S
■モーツァルトのたどった道と数々の曲
さて、話をモーツァルトにもどします。
モーツァルトが幼少期に父親と初めて出かけた、なんと3年半に及ぶ演奏旅行は、ザルツブルグから始まり、ヴィーン、アウグスブルグ、パリ、ロンドン、デン・ハーグ(オランダ)の各都市を訪れたそうです。
平成が終わる今の時代でも、これだけの都市を回るのは大変そう! 旅行としては楽しそうですが、演奏を目的とした行程、プレッシャーもあったのではと思いをはせてしまいました。
そんなモーツァルトのその時々の成長や、お父さんから受け継いだ性格がどのように曲に現れているのかを、荒川さんの説明を通じて感じ取れたように思います。
モーツァルトがパリで作曲したソナタ、音域なども子供の手で考えられたような、あまり広くないもの。当時8歳。#須賀麻里江 #須賀麻里江シンフォニア pic.twitter.com/EChg6ByuCM
— しゃんぷー(珈琲姉貴) (@shanpu_yaxiang) 2019年3月24日
ロンドンの機関車を思い起こさせるような、元気な曲。8歳になったモーツァルトの作品#須賀麻里江 #須賀麻里江シンフォニア pic.twitter.com/lM3vDtFQ0o
— しゃんぷー(珈琲姉貴) (@shanpu_yaxiang) 2019年3月24日
モーツァルトの父親のロンドン滞在の感想が「ビールがおいしい」だったことを知り、そして幼いモーツァルトの作曲家に対する無邪気な振る舞いを「きっと困らせちゃったでしょうね」と話される荒川さんの口ぶりがとても優しくて、なぜだか私もモーツァルトと距離が縮まったように感じてしまいました。
そして荒川さんが、生誕300周年の父親レオポルドモーツァルトよりもベートーヴェンの生誕250年が注目を受けていることに「ちょっと不憫ですね」と感想を漏らされて、音楽家の視点って面白い!と思ってしまいました。普段聞けない音楽家の本音が聞けるのもシンフォニアの醍醐味です。
▲講義に登場する人物の肖像画も準備いただき、想像を膨らませながらお話を聞きました。
今では全く知られていないけれど、と説明されてからある作曲家の作品を奏でる荒川さん。演奏を聴いている時には何も考えていなかったけれど、こうして知らず知らず音楽の知識が身についていく人生って幸せだなあと、後日ふと思いました。
ちなみに、今回はテーマがモーツァルトということで、サントリーのモーツァルト チョコレートクリームというリキュールを用意して参加いただいたみなさんと楽しみました!
▲レクチャー中はこんな感じで飾っておきました。
■次回2019年4月リアル講座は「和楽器」
次回は「尺八のいろは」をテーマに尺八奏者・黒田鈴尊(くろだれいそん)さんをお招きし、尺八の演奏を含むレクチャーコンサートをを開催します。シンフォニア初の和楽器の会です。
※今回のみ、祝日(月曜)の開催です、ご注意ください!
日時:4月29日(月) 14:00~16:00
会場:静心 Shizu-Kokoro 裏千家茶道教室
東京都台東区西浅草1-9-8
https://www.teaceremony.co/
国際尺八コンクール2018inロンドン優勝の黒田さんが、尺八のいろは、古典から現在進行形で開発されているテクニックまでレクチャー。体験&ミニコンサートの形式です。
●第一回講座のレポートはこちら(外部のブログが開きます)
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日時:4月29日(月) 14:00~16:00
会場:静心 Shizu-Kokoro 裏千家茶道教室
東京都台東区西浅草1-9-8
https://www.teaceremony.co/
国際尺八コンクール2018inロンドン優勝の黒田さんが、尺八のいろは、古典から現在進行形で開発されているテクニックまでレクチャー。体験&ミニコンサートの形式です。
会場にお越しになれない会員の方でも、ライブ配信や動画の後日視聴も可能なので、好きな時間に好きな場所でレクチャーに参加できます。
動画は必要に応じて手元などアップにして撮影しますので(固定ではありません)、一度の講座を複数の角度から楽しめます♪
●会員の申し込みはこちらから。シンフォニアのコンセプトなど詳細も公開されています。(須賀麻里江公式サイト)
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●第一回講座のレポートはこちら(外部のブログが開きます)
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